海外進出体験:カンボジアで焼鳥屋を経営する山田さんにインタビュー

今回インタビューさせて頂いたのは、カンボジアのプノンペンにある、焼鳥屋「123Street」の山田聡史さん。

2014年8月、1年ほど前にオープンした123Streetですが、オープンから二ヶ月で黒字化を達成。

欧米人・日本人・現地人と幅広い客層を取り込みつつ、サービスと味に魅力を感じるリピーターも多く、レビューサイトなどでは非常に高い評価を受けるお店になっています。

そんなお店を経営する山田さんですが、実はカンボジア進出前は日本で医療関係の営業職をされていて、飲食業の経営の経験などは無かったそうです。

☆飲食も経営も未経験だった山田さんが、焼鳥屋を立ち上げた理由とは?

☆お客を呼び込めない店舗も多い中で、なぜ123Streetは幅広い客層に安定して来てもらえるのか?

といった内容を伺いました。

 

――こんにちは。本日はお忙しいところ、お時間頂きありがとうございます!どうぞよろしくお願いします。

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こちらこそよろしくお願いします。

 

――まずは山田さんご自身のことから聞かせて下さい。進出前日本で何をされていましたか?今の焼鳥屋関係のあるお仕事だったのでしょうか?

 

以前(~2013年6月)は、国内の医療機器関係の会社で営業をしておりました。

特に仕事の内容は海外に関する内容ではなかったのですが、今のビジネスとの関わりと言えば、そのときの同僚と一緒に焼き鳥屋を運営している事ですね。

 

――日本でお仕事に就かれていたのに、なぜ国外出ようと思ったのでしょうか?例えば自分だったら、不安で一歩を踏み出せなそうなですが

 

何より大きかったのは、日本の先行きが、「今から10年」とかだったら大丈夫だと思うんですけど、「その先」はどうなるんだろう…っていうのを考えていたからですね。

日本にいた時は医療業界で働いていたのですが、人の生命に関わる業界で、絶対必要な業界なのにどんどんお金が入ってこなくなってきている。

そういう所で危機感を持って、海外に出よう、と思いました。

 

――危機感があると、海外の可能性に目が向くのは分かります。

ところで、今はカンボジアのプノンペンで焼き鳥屋をされているそうですが、お二人は、焼き鳥業界というか、飲食業界での経験などは

 

飲食業の経験は特にありませんでした。僕は昔、焼き鳥屋でバイトをしていた事があったのですが、に社員として働いたり、経営に関わったりとかはありませんでしたね。

 

――飲食店未経験ながらも、焼き鳥屋を始めようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

他にもビジネスを考えられていましたか?

 

飲食以外での進出というのも考えたのですが、僕らが考えたのは、実際、(飲食以外のビジネスで)「行くぞ!」って言って、アジアに飛び込んでも今のままだと何もできないんじゃないのかなと…

何をするにしても、まずは現地での人脈やお金が必要だと思ったので、人が集まる場所=飲食店を経営することで人脈を得て、その後のビジネスにつなげるための収益を得よう、と考えていました。

焼き鳥屋以外のビジネスというと、(共同経営者としてカンボジアに進出した)パートナーと2人で話した時、「鉄板焼きはどうか?」なんて話も出ていました。

 

――色々と選択肢がある中で飲食店の中でも「焼き鳥」にした理由は何でしょうか?

 

海外旅行などの経験も含めて、

「鳥料理は大体どこに行っても美味しい」

        +

「鶏肉は大体どこに行っても安い」

ということを知っていたからですね。

どこでも出来る」っていうのは大きな強みになるんじゃないかなと。

 

――鳥料理にハズレがないというのはよくわかる気がします。

何を売るかを決めた後、進出先を「カンボジア」に決められたのはなぜでしょうか?

 

元々、進出先としてはマレーシアやミャンマーが良いかなと思っていて…

最初はマレーシアに視察に行ったのですが、思ったよりも物価や家賃が高く、コスト的に難しかったので出店を断念しました。

その次にはミャンマーに、2013年に財団さんから、現地の日本人の紹介を受けて視察に行ってきたのですが、その時には条件などが良さそうだったので、ミャンマー出店を真面目に検討していました。

6月にはアジア進出を決意して、日本企業を退職して、自分は語学留学、パートナーは焼き鳥屋で修行して開店の準備を整えたのですが…

 

六ヶ月後、年が明けて2014年になってからもう一度ミャンマーに視察に行ってみると、家賃がたった半年前と比べてものすごく高騰してて。

当初の計画で進出することが出来なくなり、失意の帰国をする羽目になっていました。

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――正直、今までの計画が振り出しに戻ってしまったら、諦めてしまう人も多いと思うのですけれど

 

ミャンマー進出についてはだめになったのですが、だからといって「振り出しに戻る」という訳ではなく

「鶏であれば、どこでも美味しい料理を提供できる」

つまり場所によらずに万人受けする、という軸は揺らぐものではなかったので、今度は、カンボジアでの視察を行ったところ、条件的には凄く良い場所だと分かったので、そこへの進出が決定しました。

何をやるか」という部分で汎用性があるとどこでやるか」の可能性が広がりますね

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購入時の店舗。これから厨房器具を購入し、工事する段階。

 

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現在の店舗。焼鳥屋というよりはレストランのような雰囲気ですが、お値段はリーズナブル。

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――ここまでで進出するまでの話を伺ったのですが、進出後の話についても伺ってみたいと思います

123Streetというお店に関する諸々です顧客としてはどういった層をターゲットにしていましたか?

 

視察に来た時、やっぱり日本人は絶対数が少なかったので、メインターゲットとはしない事にしました。

「焼き鳥だったら、舌の肥えた欧米人でも取り込めるんじゃないか?」

ということで、欧米人をメインターゲットにしていました。

 

―― 123Streetの立地そのターゲット獲得を狙ったものだったのでしょうか?

 

人づてに、ボンケンコン(プノンペンのオフィス街)の家賃が上がりすぎていて、近々ロシアンマーケット(123Streetの所在地)周辺に人が移動してくる…

って話を聞いたんですよね。

実際、視察に行った時に街歩きしたりとか、飲食店から人を眺めていたりすると、欧米人がかなり多かったです。

3月に視察した後5月に戻ってきたらまた欧米人が増えていて、ロシアンマーケットに出店を決めました。

 

――実際、お越しになる客層はどんな方々でしょうか?

 

国籍としては欧米人4割、日本人4割、カンボジア人2割という感じです。

このへん(ロシアンマーケット周辺)はNGOのオフィスとかが多いのですが、そこの方がお昼休みのランチとか、仕事が終わった後、みんなでディナーに寄ってくれるイメージですね。

オフィスと住宅が混在している地域なので、地域の方もお越しになっています。

リピーター率は高めです。

 

――当初のメインターゲットではないとはいえ日本人もやはり多いんですね。日系コミュニティに宣伝などしたのでしょうか?

 

日本人向けフリーペーパーに掲載したこともありましたが、バーのマスターや美容師さんなど、発信力のある日本人の方を最初無料でご招待して、宣伝をお願いしたりしていました。

 

――だいぶ色々な層のお客さんが来ているイメージなのですが、価格設定はどのようになっているのでしょうか?

123Streetは美味しい料理を凄くリーズナブルに出すお店と伺っているのですが…

 

(日系飲食店としては)大分安めの設定になっていると思います。

例えばお客さん1人あたりの予算としては…焼き鳥から居酒屋料理まで色々と出しているのですが、夜だと7~8ドルくらい使ってくれれば、僕としては嬉しいですね(笑)

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123Streetの料理。日本の焼鳥屋で修行した山田さんの経営パートナーの方が主に担当しています

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ちなみに、あえてローカライズなどせずに、日本の味をそのまま出しているとのこと。

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――欧米の方をターゲットにしていたと伺ったのですが、それに合わせて高めの価格設定にしても良かったのでは?

 

視察段階で街中を見て回った時、外国人向けの客単価の高いお店っていうのも沢山あったのですが、明らかにほとんどお客さんが入っていないような状態で…

そこと同じ状況になるよりも、いっそ安値で提供して、

「日本の美味しいものをこんな値段で食べられちゃうのか!

っていう驚きを与えることが出来れば、お客さんを引っ張ってこれるんじゃないか、という考えです。

 

――それあって、123Streetは多くのお客さんを惹きつけているんですね。

そういえば今そちらは18時ですが、これからお忙しくなる時間帯ではないでしょうかこんなタイミングでインタビューのお時間を頂いてしまってすいません…

 

いえ、実は最近、僕らは店に立っていないんですよ。ほぼカンボジア人スタッフに任せてしまっています。

 

――てっきりお店には常に立たれているものかと思っていたのですが、意外ですね。

 

もちろん日本人がちょいちょい介入する必要はあって、例えばうちの店だったら味が変わってないかとか、接客の質はどうかとか、チェックしたほうが良いのですが、いずれはカンボジア人のマネージャークラスの人材も雇って、任せていきたいと考えています。

 

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123Streetのスタッフの皆様。

 

――お店に関しては割く時間を減らして、今度は別の事業などを考えているのでしょうか?

 

今は、焼き鳥屋をやってきて得た人脈やノウハウなどを使って、飲食業でカンボジアに進出したいって方の相談を受けたりもしているので、特に飲食業であれば進出コンサルのような形でアジア進出をお手伝いができると考えています。

あとは不動産に詳しくなった事を活かして、日本人向けのアパートの大家もやっていますね。

 

――第一段階の飲食店が軌道に乗ったところで、これから色々なビジネスに拡げていく段階ですね

――進出のご相談などにも乗っているとの事でしたので、アジア進出成功された山田さんから、これからアジアに出て行く方に一言頂けるでしょうか?

 

「アジアに行けば絶対に儲かる!絶対アジアに行くべき!」

…なんて風には言えないのですが、一つ、アジアに間違いなく“ある”ものを挙げるなら、アジアには可能性がある」という魅力だと思います。

 

これからどんどん経済が発展していく、カンボジアならどんどん色んなモノが変化してどんどんおもしろくなっていく。

そういう時にそこに入り込んで経済成長を味わう…そうしながら自分のビジネスを成長させていくのは、凄くおもしろいです。

 

絶対成功すると言い切ることはできませんが、自分が絶対にやるんだ、俺だったら出来るんだ、というのを信じていれば、あきらめなければ必ず成功には近づいていきます

自分と、アジアの可能性を信じてください。

 

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