5分で読めるミャンマー外資規制の概要

ASEANの中では出遅れつつも、急激に遅れを取り戻しつつ有る国、ミャンマー。

日系企業を始めとした外資系企業も次々に進出しており、日系企業だけでも前年比167%近い速度で進出が進んでいます。

そんな、今一番勢いのある国ミャンマーに進出を狙う際、知っておきたいのが外資規制。

法律や制度など細かく調べていくと複雑なのですが、まずは簡単に概要を理解していただけるように、外資規制の現状についてまとめました。

 

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おおまかな進出難易度(★が多いほど難易度高)

 

製造業の進出難易度:★☆☆☆☆

外資100%での進出が可能。ただ土地が最大70年までしか使えないというのは懸念点。

小売業の進出難易度:★☆☆☆☆

外資100%での進出が可能。非常にハードルの低い国。

卸売業の進出難易度:★☆☆☆☆

外資100%での進出が可能。非常にハードルの低い国。

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ミャンマー外資規制の現状

 

ミャンマーでは規制緩和の動きが広がっており、2014年には流通業に関する外資規制が撤廃されました。

小売業の出店は自由化され、輸入品販売も従来の国有企業のみから外国企業にも解禁されています。

従来は規制されていた約200の事業分野が2014年次の通達では約100分野に減ったことからも明らかです。

この他フランチャイズ事業、倉庫業、観光業についても100%外資が可能となり、観光業を興隆させたいというミャンマー政府の後押しは追い風要因となりそうです。

 

外国投資が完全に規制されている分野(禁止業種)

ミャンマーにて、ミャンマー国民のみが従事することができるとされているのは以下の事業です。

森林の保全 伝統薬の製造 深さ1,000ftまでの油井掘削 中小鉱物生産
ミャンマー原産の薬草栽培 半製品・金属スクラップ卸売 伝統食品製造 宗教上の品目製造
伝統的な栽培品目生産 手工芸品製造 伝統医療を提供する病院 伝統薬の原材料取引
伝統薬の研究分析 救急サービス 高齢者医療センター 鉄道客室レストラン
貨物運送委託業務 鉄道車両清掃業務 鉄道車両客室管理業務 代理業務
10mw以上の発電 民族言語による出版 小額農業・伝統的農業 少額畜産業・伝統的畜産業
湖・池・海岸沿いにおける漁業 塩水魚・海老・海洋哺乳類の沖合漁業

 

外国投資が条件付きで許可されている事業分野(規制業種)

具体的なネガティブリスト(外資規制対象リスト)はこちらでご確認いただけます。

https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/country/mm/invest_02/pdfs/mm_MIC49.pdf

日本人がやるようなビジネスはおおむね許可されていると言って差し支えないと思いますので、詳細はこちらのページでの解説を控えさせていただきます。

このネガティブリスト上に記載されていない事業であれば100%外資での投資が認められると規定されているので、

製造・小売・卸・サービスなどの大半の業種は外資100%で進出可能です。

とはいえ、ASEAN諸国ではよくある話なのですが、省庁の判断によって実質的な外資規制が存在する場合もあるので、投資窓口や官庁と事前に相談しておくほうが良いでしょう。

また、事業を始めるにあたって、ホテル業・観光業・金融業はライセンスの取得が義務付けられています。

ホテル業 ホテル観光省に事前承認を求め、その承認を得てホテル観光局にライセンスを申請する。
ライセンスは2年間有効で延長可能。
観光業 ホテル観光省からライセンスを取得しなければならない。ライセンスは2年間有効で延長可能。
対象は旅行代理店、旅行運送、ガイドなど、旅行企画・運営に携わる業種。
金融業 ミャンマー中央銀行の事前許可を取得しなければならない。
駐在員事務所を開設する場合も事前承認が必要。

 

資本金の制限について

不透明なのですが、最低資本金額については現状、外国投資を管理する役所が検討して決定するものとされており、

それは事業の実態を鑑みて検討されるものとされています。

恐らく、現実的にその事業を行う上で必要とされる程度の資本がクリアできているかを確認するためのものとなるので、

あまりにも規制が厳しいということは無いかと思われます。

外資規制の項目からもわかるように現状ミャンマーは強く外資を呼びこもうとしており、最低資本金額についてもそれほど心配する必要はないかもしれません。

合弁での法人設立が求められる場合でも出資比率の定めはありません。

 

土地所有の制限について

原則的に外国人・外国法人の土地所有は不可となっています。

政府および地場・民間が使用権を持つ土地を最大50年の契約で借用することになっており、

50年の後は10年の延長が2回まで可能(つまり最大70年の借用)となります。

 

外国人の就業規制について

大企業や経済特区に設立された事業の場合、

事業開始から2年で25%以上

事業開始から4年で50%以上

事業開始から6年で75%以上

と段階的にミャンマー人の雇用割合を増やしていくことが義務付けられています。

また、熟練技術を必要とする職種についてのみ外国人を雇用することが出来るとされています。

中小規模の企業であれば特にそのような規定はなく、

雇用の割合についても、外国人労働者の技術要件などについても定められていません。

 

ここまで読んで頂き、進出を検討されている方はご自身の事業が制度的に進出可能そうか不可能そうか、

概ね知って頂けたかと思います。

ただ、もし「自分の事業で進出は難しいのかな…」と思った場合でも、進出の専門家の方などに相談してみると、意外な方法で進出が可能だったりする場合があります。

ご自身だけで悩まず、まずはJETRO等の機関にご相談いただくことをおすすめします。

今現在進出可能かだけでなく、今後可能になりそうかどうかなど、広い目で検討することが重要です。

 

他国の外資規制についてはこちらも御覧ください。

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