現地在住起業家の目線で見る、2016年インドネシア市場の展望

日本の内需が縮小する一方、アジアの経済規模が拡大するという状況の中、新規事業としてインドネシアへの海外進出を検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

進出を検討するに当たって、いま情報収集中という方も多いかと思いますが、色々調べていく中で、どこから手をつけていいか分からない…とお考えの方も少なくないかと思います。

進出を成功させるためには、きちんとした情報を知っておくことが重要ですので、今回は、実際にインドネシアで5年以上事業を行っている方からもお話を伺った上で、

  • インドネシアの現状と面白いビジネス
  • 進出するにあたっては進出サポート企業に依頼した方がいいのか
  • おすすめ進出サポート企業

 などについてお伝えしていきます。

今回の記事がご参考になれば幸いです。

 

「どんな会社なら」インドネシアに進出できるのか?インドネシア進出の“規模と業種”

さて、インドネシア進出といっても、まずは

  • そもそもどのくらいの規模の会社であれば”海外進出”できるのか?
  • インドネシアではどういう商品・サービスが売れるのか?どういう業種に進出可能性があるのか?

といったことが気になっている方もいるかと思います。

そこで、まずはインドネシアの現状について知って頂くため、インドネシアに進出している企業の規模や業種などを確認してみましょう。

 

規模別の進出実態

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2014年6月時点でのインドネシア進出企業の内訳を年商規模別に見ていくと、

1000億円以上:340社(19%)

100億円以上1000億円未満:597社(34%)

10億円以上100億円未満:552社(31%)

10億円未満:271社(16%)

となっています。

以前は自動車産業などに関連した大手の機械部品メーカー・卸業の進出が目立ちましたが、ここ数年では中堅~中小規模の飲食店チェーンなどがフランチャイズ展開といった形で進出してきており、「多様な規模の会社にチャンスがある国」と言えるでしょう。

 

ざっくりとどのくらいの規模の会社が進出しているのかをお伝えしましたが、具体的に初期投資としてどの位を見ておけば良いのでしょうか?

ビジネスの内容によって、設備投資などの金額は変わってくるかと思いますが、取り敢えずはどの企業でも平等に掛かるお金として、会社設立に必要な最低資本金と、経営に必要な人件費・賃料をこちらの記事では取り上げます。

 

中小規模の企業でも進出していると言いましたが、会社設立をする場合、最低資本金額は日本円にして44万円程度となっていますが、外国資本100%の企業の場合、最低投資額を3,000万円ほど要求されると言われています。

業種や業態によっても異なる上、うまく合弁会社を組むことが出来ればこのコストは抑える事もできます。

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会社運営に掛かる資金については、ASEAN諸国の中では中間的な費用が掛かる国となっています。

上図の下半分が費用に関する各国比較になりますが、おおむね人件費としては、マレーシア・シンガポールなどの”発展済“の国を除いたASEAN諸国で比較すると、平均程度となっています。

製造業に関わる中堅技術者のみ、共有に対して需要が多くなりすぎている事があって給与が高騰していますが、これは数年以内に落ち着くことが予想されます。

 

事務所賃料・店舗賃料についてはジャカルタでは少し高めとなっています。

会社設立をされるようであれば日系の不動産業者などを介して条件の良い場所を探す必要があります。

 

業種別の進出実態

資金面での目安についてお話したところで、次に、具体的に進出している業種というのを見ていくと、下図のようになります。

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業種の割合としては製造業が圧倒的多数となっており、製造拠点としての魅力の他、モータリゼーションが進む中での二輪車を含む自動車関連の需要が堅調であるということもあり、インドネシアを市場として狙う自動車関連企業の進出が目立ちます。

 

ただ、それだけではなくサービス業(2012年比で+65.5%)、卸売業(同+44.0%)、小売業(同+35.0%)といったように消費関連業種の増加も顕著であり、経済発展による所得増加を見込んで多くの企業の進出事例が増えています。

外資規制などは緩和傾向にあり、今後は直営の飲食業の進出なども増えていくことが予想されます。

 

現地の日本人起業家に聞く、インドネシアで“いま伸びているビジネス”とは

インドネシアではどういった商品が売れるのか?どういう市場があるのか?をより詳しくお伝えするため、およそ5年前にインドネシアに進出され、美容サロンや飲食店などのリアル店舗の経営に携わる、室野秀さんにお話を伺いました。

室野さんは多くの日系中小企業の相談役としても活躍されています。

 

最近どんな日系企業が進出しているのか

◆最近はどのような企業が進出しているのでしょうか?

 

僕自身、中小企業の経営者なので、同じ中小企業の方からの問合せが多いです。

日本ですでに何かを経営されていて、こっち(インドネシア)に横方向に展開したい、と考えてくる方が多いですね。

製造業の進出も多いですが、飲食や小売の進出を聞くことも多いです。

場所としては、以前はジャカルタへの進出事例が多かったのですが、最近は近隣の工業団地周辺への進出が多くなっています。

 

ジャカルタ周辺ビジネスの最新事情とそこに見えるビジネスチャンス

◆なぜそのような動きになっているのでしょうか?また、それで新たなビジネスチャンスが生まれるのでしょうか?

 

僕はジャカルタに住んでいるんですけれど、ジャカルタから車で2時間くらいのところに、チカラン、カラワン工業団地というのがあります。

ご存知の方もいるかもしれませんが、ここに日系の製造業が沢山進出しています。

大手で言えばトヨタ、ブリヂストン、ヤマハなど、自動車・バイク系が多いですね。

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ジャカルタからですと往復で4時間ぐらいかかってしまうので(渋滞しているともっとの時もありますけど。笑)、工業団地周辺に住む人が最近とても多いんですよね。

それに伴って日系の飲食店だとか、日本食スーパー、日本人向けマンション出張者向けのホテルなんかも建ってきています。日本人学校も設立の計画があるそうです。

今はまだ無いんですが、近々日系の美容室が出来るそうです。

 

でも、まだまだお店は足りてない感じなので、いま挙げた業種はもちろん、それ以外にもチャンスがあると思いますよ。

日本人は男性が多いんですけど、床屋さんは無いのであると良いかもしれませんね。居酒屋とかも、もっとあっても良いと思います。

あとは…本当に“工場地帯”に住んでる感じなので、娯楽系に需要があるでしょうね。

 

※下記URLはジャカルタの生活情報サイトでカラワン地区を検索してみた結果。製造業に混じって日本料理屋の情報も…

http://goo.gl/5hU5EO

 

今後、まだまだ工業団地に住む日本人は増えていくでしょうから、お店もどんどん進出していくでしょうね。

駐在の方はお金に余裕がある方が多いので、良いサービスであれば日本よりも高い値段で当然勝負できます。

ジャカルタが東京だとしたら、千葉とか埼玉の開発が進んできた感じですね。

 

ジャカルタ以外にも見えてくる可能性とは

◆工業団地以外だと、どういうところにチャンスがあるでしょうか?

ジャカルタの飲食店の出店ラッシュは一旦止まったかなという感じで、今後は工場地帯だけでなく、スラバヤ、メダンなど地方都市に進出が進むと思います。

ジャカルタと比べると日系企業の進出数は少ないですが、スラバヤ、メダンは200万都市、人口だけで言うならば札幌ぐらいあるので、市場としては良いんじゃないかと思います。

賃料などもジャカルタに比べれば安いですしね。

 

ジャカルタはだいぶ洗練されてきたところがあるので、競合も多いです。

日本で評価を受けたサービスでも、ジャカルタで競争するのは大変かもしれません。

今ジャカルタにないようなものであれば、うまくいく可能性はあると思いますが、他の地域への進出を考えてみても良いかもしれませんね。

 

ここ数年のビジネス環境の変化について

◆ここ数年、ビジネス環境はどのように変化しているでしょうか?

ここ数年の変化を一つ挙げるならば、ビザの取得が難しくなったことがあると思います。

難しいといっても手続き的な問題などではなくて、取得までの時間が長くなりましたね。

前は一年単位のビザも下りやすかったのですが、最近だと、大卒だったり、就労する分野での業務経験が一定以上でないと半年ぐらいしかビザが下りなかったりしますね。

インドネシア政府としては「インドネシア人でも代替が効くようであればインドネシア人を優先的に雇用して欲しい」という狙いがあるようです。

 

自力で最新情報を入手する、最良の方法は?

◆ありがとうございました。最後に、いま伺ったような情報について、最新のものを入手するにはどこを当たれば良いでしょうか?

自分は直接現地に乗り込んで、しばらくは目的を絞らずに、アパートを借りて暮らしていたんですけど、現地で暮らしていろんな人と話したことが人脈とか情報につながって、最終的に今のビジネスに繋がりましたね。

 

仕事の話もそうなんですけど、その場所で生きていけるのかっていうのも重要だし、環境とか食事とかそういうのも大事ですよね?

ネットとか本で情報を調べて、税制とか登記のことがわかっても、一度来てみないとわからないこともあります。

Facebookとか使えばいろんな人に会える時代ですし、一回現地を見に、人から話を聞きに来てみると良いですよ。

 

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インドネシア進出のイメージがついたら、まずやりたい“視察”について

ここまでで、インドネシアの現状についてデータと現地起業家の言葉の両方をお伝えしてきましたが、実際に進出されるのであれば、よりご自身のビジネスに合った細かい情報を把握しておきたいのではないでしょうか?

そこでおすすめしたい第一の行動としては、現地を見に行く、視察を行うことになります。

視察によって知ることのできる情報は多く、アジア進出で成功された方の経験談を聞いていても、

視察に行った時に気づいたアイデアでビジネスを始めた

一度行ってみたら人脈ができて、その後の情報収集がとても楽になった

…という方もいらっしゃいます。

 

ちょっとハードルも感じる“はじめての海外視察”

しかし、海外進出未経験の会社や個人が今から視察に行こうと思っても、

  • 現地に人脈がないので、どういう人に会えばいいのかわからない
  • 効率よく視察をするにはどこを見ていけば良いのかわからない
  • 普段が忙しく、現地のガイドや通訳など手配する手間を掛けられない

といった問題もあります。

 

視察にあたって見ておきたい費用感

このような懸念点があるようでしたら、アジア進出コンサル企業の提供するツアーの利用をおすすめします。

ツアーの内容などによっても前後してくるのですが、10のコンサル会社主催ツアーを比較してみたところ、費用感としては、

10万円~15万円、二泊三日程度の短期間のツアーから、

20万円~30万円、五泊7日程度の比較的長めのツアーが主体になります。

 

ちょっと気になる出費かもしれませんが、大人数でのツアーであれば一人あたりの費用が割引になる場合などもあるので、

複数社で参加してみるというの

も一つの手法かもしれませんね。

 

どんな日程で何を見る?視察日程の一例

実際に提供されているツアーの内容を例として挙げますと、このようになっています。

 

【1日目】

〜インドネシア到着〜

15:00 ホテルチェックイン

16:00 インドネシア・ブリーフィング(簡単な説明と質疑応答など)

18:00 解散・自由行動

 

【2日目】

10:00 JETRO事務所を訪問

〜昼食、移動〜

13:00 大手モール、現地市場を視察

〜ホテルへ移動〜(混雑時のジャカルタを観察)

18:00 解散・自由行動

 

【3日目】

09:00 企業訪問①(現地デパートに出店する日系企業)

11:00 企業訪問②(10年でトップシェアの食品関連企業)

〜ジャカルタ市内にて昼食〜

13:30 卸業者街視察

15:30 工業団地を視察

〜ホテルへ移動〜

18:00 解散・自由行動

 

【4日目】

09:00 企業訪問③(食品倉庫を持つローカル企業)

11:00 企業訪問④(サービス業を展開する日系企業)

〜ジャカルタ市内にて昼食〜

13:00 自由行動

18:00 現地解散

 

また、業界団体などが主催するツアーでは独自の伝手を活用した内容が期待できる他、双日などの商社の主催するツアーでは、出資する工業団地の視察ができるので、製造業の方にとってはより具体的な情報を持ち帰ることのできるチャンスと言えます。

 

視察ツアーを依頼するには?優良ツアーの探し方

このような視察ツアーについてですが、国内であれば

Digima~出島~

https://www.digima-japan.com/

 

ヤッパン号

http://www.yappango.com/

などの情報サイトでも主催されています。

国ごとに様々なツアーが企画されている他、業種に併せてツアープランの企画までを依頼することもできるので、はじめての視察では活用してみるのも一手です。

ここまででインドネシアの現状から、実際に進出する際の第一歩:視察についてお話させていただきましたが、いかがだったでしょうか?

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