海外市場を獲得するローカライズのポイント4選

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  1. 新興国市場への浸透戦術
    ターゲットする顧客層の明確化
    現地では知られていない価値をどう伝えるか
    嗜好の違いに対応する
    ローカライゼーションしなくて良い場合もある
  2. 自社に最適な浸透方法って何だろう

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前回の記事では、海外に商品を販売する場合を例にとって、

バイヤーや代理店と出会うための第一歩、展示会への出展について重点的に解説しました。

今回の記事では、バイヤーや代理店との取引から一歩先に進んで、自社で実際に現地に乗り込む場合の話をします。

進出方法別のメリットとデメリット、進出後のマーケティング戦略について、導入程度にまとめました。

1.新興国市場への浸透戦略

日本企業がアジアに進出する時、おおむねどの場合でも共通する課題は、「サービスや商品をどう浸透させるのか」ということになります。

日本にある商品でもアジアでは馴染み深くない要素が何かしらあるものなので、その商品をどのように現地に適合させるべきなのか(あるいは、どこを適合させるべきではないのか)といったことを検討しなければいけません。

 

その方法には、例えばこんなものがあります。

 

ターゲットにする顧客層を明確にする

ブログ(ローカライズ2)

アジア諸国への進出に際してまず重要になるのは、ターゲットとなる顧客層の設定です。

顧客設定の戦略としては…

  • 富裕層を重点的に狙い、そこから中間層以下への波及を狙う
  • 富裕層のみに完全に絞ることで、高品質・高単価のモデルを維持する
  • BOP(所得ピラミッドの最下層)を狙うことで、薄利多売を狙う

など、色々な考え方があります。

 

まずは富裕層への普及を狙って、「お金持ちの使っている◯◯」というイメージを作ったところで、これから富裕層に上がってくる中間層を獲得していく方法も考えられますし、富裕層・中間層向けに別々の価格帯の商品を投入して、なるべく多くの顧客を確保する方法も考えられます。

 

進出する国や取り扱っている商品やサービスの内容によって変わってくるので、一概に「この商品はこの層を狙いましょう」などとは言えないのですが、ひとつ言えるとすると、顧客層の設定において注意しなければいけないのは、今後アジアの発展に併せて顧客層の厚みは変化していくという事です。

 

現在ASEAN諸国のどこの国でも中間層が急激に増大していく傾向にあり、現地に進出している日系企業もその層を狙って動き始めています。

ターゲットについてはマーケティング戦略を立てる上で真っ先に決めなければいけませんが、日本と違い、顧客層の変化に応じて都度見なおしをしなければいけない事は、念頭に置く必要があります。

 

現地では知られていない価値をどう伝えるか

ブログ(ローカライズ3)

国内で販路を広げることと海外に販路を広げること、その上での大きな違いは、

「自社商品のジャンルについて、そもそも海外に価値が伝わっていない」

可能性があるという事です。

 

今でこそ海外にラーメンチェーン店などが出来て現地の方にも親しまれていますが、ラーメン、うどん、寿司、どこかのタイミングで誰かが現地に価値を伝えているからこそ、現在のビジネスが成り立っている事になります。

 

例えば少し変わった事例ですと、絵本の需要があまりなかった中国に、出版社のポプラ社が絵本を売り込んだ事例。

わざわざ自社で百貨店の中に書店を開き、店内にイベントコーナーを設けて、日本の図書館でやっているような「読み聞かせ」を行ったそうです。

大々的なプロモーションほどコストが掛かっていないながらも、顧客により濃く価値が伝わるような宣伝方法として、

  1. 自社商品をまずは手にとってもらう
  2. 自社商品のメリットをわかりやすく提示する(子供の反応を親に見せる)
  3. 口コミでの拡散を狙う

というプロセスを経て、中国市場への浸透を図っています。

 

蒲蒲蘭絵本館(ポプラ絵本館)

http://www.poplar.co.jp/china/jigyo.html

 

また、ベトナムのあるたこ焼き店では、あまりタコを食べる習慣のないベトナムにたこ焼きを売り込むために、最初はひたすら従業員に「美味しい」といってもらえる商品づくりに取り組みました。

最も身近な現地人である従業員を対象にテストを行いまた、従業員自身が「美味しいと思うもの」を売ってもらうことで接客の質の向上を図っています。

 

あるいは、現地人に直接訴えかけるのではなく、現地の日本人駐在員などにまずはサービスを使ってもらって、そこから現地人に(最初は口コミなどから)サービスを浸透させるという方法もあります。

 

嗜好の違いに対応する

例えば食品などの場合顕著になりますが、現地の文化に基づいた嗜好などがあるので、それに対応する必要があります。

 

大きな枠で言えば、ハラール認証の取得などがありますが、小さな所で言えば、例えば…

「独自に味付けする食文化であることを見越して味付けは薄めにする」

「大家族であることを考えて1パッケージあたりの商品の数を増やす」

といったものです。

 

ちなみに、中国やASEAN諸国で言われる事なのですが、例えばカー用品や電化製品などであれば、いっその事「日本と同じものを売っています」としてしまった方が現地に受ける場合もあります。

海外に行くと怪しい日本語の説明文が書かれた小物が売っていたりしますが、「日本のもの」が欲しい層に訴求するための一つの戦略です。

 

ローカライゼーションしなくても良い場合もある

上の項目でも述べたように、アジアに商品を持ち込んで販売する場合はローカライゼーションが必要になる…

というのが基本的な考え方になりますが、実際のところローカライゼーションをしたほうが良い場合と、しない方が良い場合があります。

 

これはどういうことかと言うと、例えば日用雑貨の一部や、ファッションなど、特に向こうで馴染みが薄いわけではない=日本のものがそのまま受け入れられる、という下地ができている商品であれば、「日本ブランド」の信頼感を強みとして活かすために、あえて手を加えず、日本製と分かるようにするのが良い場合もあるという事です。

 

  • 日本ブランドを全面に出す方法

“Made in Japan” “Made by Japan”とわかりやすく表示させ、パッケージは日本のものと同じものにする。

店舗を展開するのであれば、例えば飲食店なら日本語で挨拶させる、店名を日本語と現地語で併記するなど。

とはいえ、日本のものを全く変えずにそのまま投入すれば何とかなるという話ではなく、細かな修正があればより訴求力が高くなるのは事実です。

例えばシンガポール・中国・台湾などであれば、日本で販売しているデザインと大枠では同じにしつつも…

中国系に受けが良い赤色・金色を使ったパッケージにする、大きめで少し派手なパッケージにする、といった事が考えられます。

 

  • 現地向けに手を加える場合

例えばとあるラーメン店では徹底的に現地化を図っていて、

商品開発やマーケティングに関する権限を全て現地に委任しています。

戦略としては、変わらないで売れるマーケットもあるだろうが、

将来的により広い客層に浸透して大きなビジネスをしようと思った場合、

今のうちから徹底的にローカライズを進めたほうが有利である…という考えに基づいているようです。

また、この場合完全に現地に委任しているので、

現地側の判断でスピード感のある対応が出来ることが魅力です。

 

3.自社に最適な浸透方法ってなんだろう

商品やサービスを現地に浸透させる方法は様々な商社が研究していて、色々な方法があります。

 

ただ、どうしても進出させる国、地域、ターゲットにする顧客層、商品などによって「最適な方法」というのは変わってくるので、一概に「こうすれば良い!」と言うことはできません。

 

そこで、ベストな方法は、現地の代理店などに販売方法や、改善点などをヒアリングすることです。

まずは代理店との関係が出来ていることが前提条件になりますが、もし、まだそういった繋がりがないのであれば、日本の進出コンサルの中にも、世界のバイヤー・代理店網を駆使して市場調査をしてくれる場所があるので、そこに頼むのも良いでしょう。

 

とにかく、直接でも間接でも良いので、

現地の、現場の意見を積極的に取り入れて最適な方法を模索することが、

一番手っ取り早く、確実に「自社のための、アジア市場への商品の浸透方法」を知る道です。

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